TV HEAD for DOMMUNE(& DOMMUNE顛末記)

図工 | 06/07/2024
2024年5月13日、動物豆知識botさん(*)の主催により、HYPERTEXT #1の「読み解き」という企画のもと、DOMMUNEに出演させていただきました。このようないでたちでした。
DOMMUNE
botさんからお話をいただいた時、とりあえず、「DOMMUNE!? しかも、何かのテーマについて話す何人かのうちの一人じゃなくて、俺のZINEがメイン!?」と一通り焦りまして。焦ったんですが、こんな機会はもう二度とないだろうと思い、受けさせていただきました。

ただまあ、札幌は意外と狭い街ですし、僕もそこで普通に生活があったりするもんで、あまり顔出しもアレだなぁと思い。で、何か被り物を用意します、というような話をしてまして。

なんか適当なゴム製のなんか買おうかなとも思ったんですが、実は前々からちょっと作りたいなと思ってたのがこれだったんですよね。4時間の長丁場をこれで乗り切れるのか、という不安はありましたが、まあ、思い立ったら作りたくなってしまい。このサイトやZINE同様、これまた、完全に自前のDIYであります。ジャンク品のIBMのブラウン管モニターで作りました。
TV HEADその1

TV HEADその1

TV HEADその1
TV HEADという、90sリバイバルっぽいコスプレ(?)の一ジャンルがあるそうで、色味的にはピンクとか紫とか、aestheticなところが定番化してるみたいです。なんとなくその辺の要素を意識しつつ、「廃物利用といえばRAMMELLZEEだ」ということで、RAMMELLZEEインスパイア(のつもり)なペイントを施しました。RAMMELLZEEの使う色味が、奇しくもなんとなくaestheticみがあって。あと、なんか、この辺の色のスプレーが余ってたのでちょうど良かったです。
TV head cosplay

rammellzeeバトルスーツ
中身はどうなってるんだという質問をいただいたので、こちらで紹介します。作ってみたい人はご参考までに。

こういうの、中身の構造とか機能性とかを意外とちゃんとしたいタチでして。海外の作例だと、ウレタンをギッチギチに詰め込んで……みたいなのが結構多いんですが(*)、あまりそれはやりたくなくて。というか、ヘルメットだけはちゃんとしとかないと4時間もたないな、と思ったというのが正直なところなんですが。そうしたわけで、中にはミドリ安全のヘルメットが固定されてます。マジでこれ、TVヘッドを作る上での最適解だったと自負してます。

このヘルメット、キャップの下に被る軽作業用のやつらしいんですが、コンパクトなのにきちんと緩衝性があるんですよ。ガチの現場用メーカーはさすがです。あと、なんたってちゃんとしたメーカーのですから、顎紐とかもバッチリ合うやつがオプションパーツとして入手可能という。しかも金具で固定できますし、断言しますが、TV Headにはこれ一択です(誰に必要な情報か謎ですが)。

これをM6ボルトで固定しまして、上に穴を空け、ステーで固定。内側ステーは丸穴じゃなくスライド可能なやつにしてあるので、前後に調整が効くようになってます。

そうそう、上下は直角に曲がったステーを2枚重ねて、重なった部分を蝶ナットで固定してますので、これを緩めて調整すれば、僕以外の人でもいい感じに被れます。
あと、前のカバーを外したところに大きく穴を開けて、マイクの音も拾えるようになっています。よく考えられてるんです、自分で言いますけど。
内部1

内部1

内部2

内部4
あと、前面のフィルム。これが大事ですね。ブラウン管は球面状に前にせり出していますから、当然このガワもそれに合わせてアーチがかっているので、そこに合わせなければいけません。なので、たわみをつけられる素材じゃないとダメです。そこでアクリル板です。アクリル板は、1mmか2mm程度の厚みであれば曲げに対応できるので、こういう時にいいです。エポキシパテで隙間を埋めて、そこに切り出したアクリル板をはめ込んでビス留めです。

アクリル板には、車用のUVカットフィルムを貼りました。なので、不要な機能ですが、結果的にこの被り物、紫外線もカットできます。
内部3

本当はこれ、液晶を仕込んで、rhaspberry piを入れて配線繋いで、手元のスイッチで「^_^」みたいな表情を出せるようにできたら一番いいなと思ってたんですが、そうなると視界確保のために潜望鏡を入れなきゃいけなくなるとか色々あって断念しました。2号機を作る時はやってみたいです。



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以下はDOMMUNE顛末記、または東京滞在記。

2022年秋、札幌限定で、創刊準備号となる『HYPERTEXT #0』を頒布したんですが、それを当時、札幌以外で入手されていたのが、動物豆知識botさんとばるぼらさんでした。そしてお二人からは、ありがたくも「今年のベスト本」との評を頂きまして(というあたりはここに書きました)、その評価がのちのクラファン達成にも繋がったように思います。重ね重ね、その節はありがとうございました。

で、2024年2月末頃、ようやく正式な「#1」がリリースとなりまして。ほどなく動物豆知識botさんからDOMMUNEの提案をいただき、「司会はばるぼらさんにお願いする予定で、他に誰か希望はありますか?」的なことを訊かれ、真っ先に浮かんだのが持田保さんだったんですが、面識もないしなぁ、と遠慮して言えず。いや、そもそも、誰一人面識なかったんですけども。ところがその後、見透かされてたようにbotさんから「持田さんにお願いしました」と言われて、「ウォゥ!?」となりました。持田さん、引き受けてくださり、ありがとうございました。


5月10日。3日前。実は、一番不安だったのがこの日の夜から12日にかけてである。札幌の豊平郵便局から、書籍資料と覆面を梱包した大きな段ボールを渋谷のホテル宛に発送。時刻は郵便局終業の19:00ギリギリ、12日にはホテルで内容物を確認しなくてはならないので、同日中の発送が必須。ややこしいので送り状に「書籍等」と書いて出そうとしたら、「『等』ってなんですか?」の質問。それもそのはず、本がギチギチに詰まっているにしては軽すぎる。「パソコン……ですね、一応」などと曖昧に答える。
雲行きがあやしい。「X線通すので、パソコンだと最悪、航空便NGで船便になるかもしれません」と言われる。それはまずい。船便の場合、12日はおろか13日(DOMMUNE当日)にも東京に届かない可能性がある。「いや、モニターだけなんですけど、中身の機械は抜いてあるんですよ」と食い下がる。ポカンとされる。察するに、おそらくこの時、「モニター」という言葉から局員の方が連想したのは「液晶モニター」である。中身が抜いてある……? 説明を加える。「いや、要は、パソコンっていうか、昔のブラウン管のモニターの被り物で、そういう意味では衣装です」。何となく言いたくなかった。しかし背に腹は代えられない。「じゃあバッテリーは入ってませんね?」。くそっ、その説明だけで良かったんだ!!

それでも、何かの間違いで船便に回されてしまっていないか不安であった。11日深夜(明けて12日午前)まで、1時間おきに東京宛の荷物の追跡番号をチェック。12日午前4時頃、東京着を確認。安心する。

5月12日、札幌を発ち、渋谷に到着。東急ハンズで、段ボールを乗せるためのカートを買う。15:00頃ホテルにチェックイン。前もってホテルに送っておいた段ボールを開封、確認。とりあえず故障はなく一安心。次の懸案事項であった「イルミナティカード」の準備する。botさんとの打ち合わせで、配信後半のどこかで、例のカードゲームをプレイする時間を設ける手筈を決めていた。ゲームのルール説明を頭の中でシミュレーションしながら過ごす。兆楽でエビチリを食べる。

5/12、渋谷


5/12、ホテルにて

翌日。雨。これはまずい。なぜなら僕はこれからこの巨大な段ボールを引きずって歩かなくてはならない。ホテルのフロントスタッフに「一番でかいビニール袋をください」と掛け合う。フロントスタッフは「デカい段ボールの人」と認識しており、話が早かった。これならどうでしょうか、と差し出されたビニール袋を受け取り、部屋に戻って箱に被せてみると、あつらえたかのようにジャストサイズ。そしてそのビニール袋の中央には「Garbage Bag」の文字が印刷されていた。”Garbage God”冥利、RAMMELLZEEにおあつらえ向きである。

Garbage Bag

巨大な段ボールを乗せたカートを引きずり、待ち合わせの時間まで宇田川町をうろつく。途中ZEEBRAとすれ違う。「本当に渋谷にいるんだ!」と感動する。渋谷、それは本場である。ZEEBRAの本場である。

待ち合わせの店にて動物豆知識botさん、持田保さんと対面する。荷物のデカさに引かれる。ばるぼらさんが少し遅れて合流。後から知ったが、ばるぼらさんはこの時、多少近辺を案内しようかと考えていてくれたらしい。が、やはり荷物のデカさに引いていたようである。すみません。

(一応申し添えておくが、さすがにこれを被ったまま歩いていたわけではない)

渋谷PARCO9階に到着。例の被り物を取り出し驚かれる(呆れられる)。札幌から持参したお土産、『雨はやさしく』2号店のラーメンを配る(賞味期限そろそろだった気がするので、まだだったら食べてくださいね)。いそいそと準備をし始める。マイクで問題なく声を拾えることを確認。飲み物と同時にストローをお願いする(あれを被るので)。

宇川さん到着。おそらく、やはり呆れられる。ご挨拶をさせていただく。同時に、「あ、本当にDOMMUNEだ」と改めて思う。

本番開始。正直、何を話したかあまり覚えていない。モニターに映す画像や動画の指示を出す余裕なし。とにかくばるぼらさんと持田さん、宇川さんに助けてもらった。

まーストローがこの穴に入らない
終盤、例のカードゲームのセクション。ルール説明を試みる。が、予想外の事態。ハンドマイクを持っているため、片手しか使えないことを認識。カードを並べながら説明するのがほとんど不可能であることにその場で気づく。それでも、「支配」のあたりの説明では、このゲームのユーモアが多少は通じたのか、笑い声が起こっていた記憶。

「ゲームを実際にやるってところまでは、これはとてもじゃないが厳しいな……」と思っていた矢先、宇川さんから「ルール説明に入ったところで視聴者数が激減したのでやめましょう」という介入、爆笑。救われる。

その時間をトークに置き換えることになったが、その流れで、先の顔合わせの際にチラッと話していた、札幌の豊平峡温泉の話になる。豊平峡温泉の名をDOMMUNEに乗せることに成功。後にも先にもないだろう。後日、札幌の人たちからえらい褒められた。

終了、ばるぼらさん、持田さんとお別れ。ありがとうございました。今度お会いすることがあったら、その時はできるだけ荷物を少なくしようと思います。
バナナさんのDJを聴きながら、来場してくれた人たちと話す。方便さんから新しく出た本を頂戴した。ずっと相互だったhitachtronicsさん(*)とも話す……のだが、ご本人と名前が一致していなかった。ごめんなさい!!!!!
磯部涼さんが来ていると聞いて驚く。つまり私はこの日、ZEEBRAと磯部涼氏両名と会った(ZEEBRAは見ただけだけど)のである。わざわざ岐阜から来てくれた方もおり、その場でZINEを手渡した。ヤバい石鹸を貰った。一人、ZINEきっかけで実際に例のカードゲームを買ったという猛者の方がおり、その人に「僕が翻訳したルールブックのデータ送りますよ」と話してたんだけど、もしこれ読んでたら連絡ください。somedayの田中さんにもお会いした(領収書送ります)。宇川さんからも凄まじい話を色々と聞いた。楽しかった。

解散後、宇川さんが「荷物デカすぎてヤバいからここから札幌に送るよ」と言ってくれたので、ありがたくお言葉に甘えさせていただいた。体一つだとこんなに身軽だったっけ? と実感しながらドミトリーまで歩く。就寝。
翌14日、帰路に着く前に渋谷を観光。また兆楽に行く。パルコ屋上のベンチで横になる。外国人観光客に「喫煙所はどこだ」と聞かれたので9階に案内する。まだDOMMUNEの掲示が昨日のままだったので「これが俺だ」とドヤってみる。お土産を頼まれていたので色々買う。全ての本を段ボールに詰めて送ってしまったため、帰路で読む本がないことに気がつき本屋に寄る。スチュアート・ブランドの自伝が出てたのを忘れていたことに気がつき購入。レコード店にも寄る。HMV渋谷はクラファン時から支援してくれていたので、担当の方にご挨拶したかったのだが、先々月あたりに異動になってしまっていたようで心残り。

今度は道玄坂店
夕方、京成線で成田空港に向かう。電車に揺られ、わずか3日だが濃厚な時間だったと、一抹の寂しさを覚えつつ電車の中で感慨に浸りながらスマホで航空券を確認していると、ある事態に気づく。飛行機の日付が15日になっている。間違った。帰札を14日の夜にしようか、15日の午前中にしようか悩んだ結果、最終的に「15日の夜」を取っていたらしい。
こういう時は笑うしかない。この時、車内でSさんとDMのやり取りをしていたため、流れでそのまま報告。「親近感を覚える」とお褒めの言葉を頂戴する。

とりあえず成田に行ってもしょうがないから次の駅で降りよう、と降り立ったのは千葉県の佐倉であった。ゴルフ場があることを知った。札幌に電話し、奥さんから「了解ー」と軽く返事をもらう(この時札幌では札幌で色々あったが、それは置いておく)。さてどこに泊まろうかと考えたが、正直どこでも良かったので、じゃあ京成線で行けるところで上野にしよう、と適当に決定。アメ横のドミトリーを予約、天下一品のラーメンを食べる(今は北海道にはない)。

こういう時の開き直りには自信がある。まあもうしょうがねえや、とゆっくり一泊して翌日、屋台の中華やら、ケバブやらをいいだけ食べる。東京滞在中に受けたZINEの注文分に同封するためのお土産を物色。奥さんに鞄を買う(値切った)。中華食材店で、Xで相互の人(多分steinさんだったと思う)が紹介していた好人家の麻婆豆腐の素があったので購入(帰って作ったら激ウマだった)。惜しむらくは、この日がよりによって、月に一度のアメ横センタービルの休業日だったことである。第三水曜らしい。







串串香屋の「鶏肉巻」というもの、やたら美味かった

一日中遊んで再び成田空港へ。今度は間違いない。ようやく千歳空港、そして札幌へ。

自宅到着は24:00少し前。そうして終わった。


そんなこんなで、とにかく楽しかったです。動物豆知識botさん、ばるぼらさん、持田さん、バナナさん、宇川さん並びにDOMMUNEスタッフの皆様、大変お世話になりました。現場にお越しいただいた皆様、配信を見てくれた皆様、ありがとうございました。例のカードゲームはどこかで動画を作ってリベンジしたいと思います。


最後に宣伝。

ばるぼらさん+あらゐけいいちさん『コミティア魂』、面白いです。なんだかんだ、私が色々あってDOMMUNEにまで出させてもらったのは、全ては札幌のある即売会から始まったわけなんですが、起点となったその時の感覚がまるで自分のことのように記されておりました。これを読んだ後、ほとんどの人はきっと何かを表現せずにはいられなくなるでしょうし、それはそれ以前の自分との、不可逆的な変容となるに違いありません。これはDIYの話であり、魂の話です。
持田さん『あなたの聴かない世界』、面白いです。もし『HYPERTEXT #1』を面白いと思ったならば、この本も面白いと感じるに違いないことを、私が保証します。僕はこの本を、単にオカルティズムに接近したカルチャーを取り上げたものではなく、その列挙を通じて「サブカルチャーをサブカルチャーたらしめるものとは何か」を浮かび上がらせたものだと思っています。
あと、HYPERTEXT #1、二版がまだBASEにちょっとあります。もう刷らない予定なので、ご興味のある方はぜひぜひ。

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