タランティーノ映画の裏設定「作品間リンク」まとめ
パルプ・フィクションのヴィンセントと、レザボア・ドッグスのヴィックは兄弟だった。
クエンティン・タランティーノ監督の映画に散りばめられた、「作品間リンク」を辿る。
 
    さて、彼の作品には様々な「遊び」が散りばめてありますが、その中でも最も有名なものに、「作品間のリンク」があります。マーベル映画のヒーローたちが共存する世界観を「マーベル・シネマティック・ユニバース」と表現しますが、最近ではタランティーノの一連のこの遊びも「タランティーノ・シネマティック・ユニバース」とか呼ばれているようです。
パルプ・フィクションのヴィンセント・ベガと、
レザボア・ドッグスのヴィック・ベガは兄弟

 
『トゥルー・ロマンス』のリー・ドノヴィッツと、
『イングロリアス・バスターズ』のドニー・ドノヴィッツは親子

 
『ジャンゴ 繋がれざる者』内のフランコ・ネロの台詞が
ダブルミーニングになってる

 
隣に座った黒人の「知能」を確かめるべく、ジェイミー・フォックス演じるジャンゴに、自身の名前のスペルを聞くフランコ・ネロ。ジャンゴは淀みなく「D-J-A-N-G-O。Dは発音しない」と答えます。それに対し、フランコ・ネロは「知ってる」と返答。フランコ・ネロといえば、マカロニウエスタン映画「続・荒野の用心棒」で、元祖「ジャンゴ」を演っていた人です。タランティーノも承知の上でキャスティングしてるわけですが、わざわざ「元祖」に名前を訊かせた上で「知ってる」という台詞を言わせるという、「世界一有名な“ジャンゴ”だもの、そら知ってるだろ」と突っ込まずにはいられない、タランティーノにしかできない洒落ですね。
ジャンゴとブルームヒルダの子孫は『黒いジャガー』のジョン・シャフト

 
『パルプ・フィクション』に出てきたクーンツ大尉の祖先は
『ジャンゴ』に名前だけ出てきた賞金首

 
『キルビル』の「夜這い窓口ドクター」バックと、『フロム・ダスク・ティル・ドーン』のセスが一字一句同じ台詞を言う

 
同じ保安官の親子が何度も登場する

デス・プルーフ

キル・ビル

フロム・ダスク・ティル・ドーン
『パルプ・フィクション』でミアが言っていた、自身の出演したドラマが『キル・ビル』


▲ブロンドのリーダー

▲日本娘

▲黒人娘

▲フランス娘

▲そしてナイフ使い
『キル・ビルvol.2』でブライドが生き埋めにされたのは、ドクター・キング・シュルツの奥さんの墓

 
『パルプ・フィクション』のジュールスと
『フロム・ダスク・ティル・ドーン』のセス・ゲッコーが
同じハンバーガーを食べている

 
『レザボア・ドッグス』のMr.ホワイトが、
『トゥルー・ロマンス』のアラバマと思しき人の話をする

 
『レザボア・ドッグス』でヴィック・ベガについてた保護観察官は、『ナチュラル・ボーン・キラーズ』に出てきた変な刑事の兄弟

 
『イングロリアス・バスターズ』のヒコックス中尉の祖父は『ジャンゴ』に出てきたピート・ヒコックス

 
最後は勿論これ。
レッドアップルという架空のタバコが至る所に登場

プラネット・テラー

フォー・ルームス

ロニーとミッシェルの場合

パルプ・フィクション(この他数カ所)

キル・ビル


ジャンゴ 繋がれざる者

イングロリアス・バスターズのプロットとして存在していたが、使われなかったという1940年代バージョン
タランティーノは、パルプ・フィクションのプロットについてのインタビューで、「元々三文小説のスピンオフが好きで、パルプ・フィクションの脚本にはそれが影響している」と発言しています。彼はこの「作品をリンクさせる遊び」を通じて、いわば全ての作品を、全ての作品のスピンオフにしてしまっていると言えます。今年は「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」も公開されるので楽しみに待ちつつ、一方ではそれ含めあと2作で引退なんていう話もあったりするので複雑ですが、宮崎駿みたいにカジュアルに前言撤回しながら作り続けてほしいなーと思ってます。
 
           
           
           
           
           
           
          